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中絶が議題の映画

ヴェラ・ドレイク、おわらない物語-アビバの場合-を観て思ったこと。

ネタバレ含みます。注意して下さい。

 

 

 

 

ヴェラ・ドレイクのしていることは違法な行為は確かに明白。あんなやり方で堕胎ができるのかと私は本当に思った。死にそうになる人が出てきて、病院から通報、彼女は逮捕される。それにしてもこの女優さんは役に馴染みすぎてて、本当に女優さんなのかというくらい、一般家庭(少し余裕のない)のお母さんに普通に見える。このような外見の人を外国で見ても、女優さんだか一般人だか解らないかもしれない。

 

堕胎方法は子宮に石鹸水を入れて、数日後に出血で終わりらしい。こんなことが本当に可能なのかと疑う。間違った違法な処置。だけど、この時代これが普通にあったとしたら、なんというかこれは時代のせいだと言いたくなる。堕胎そのものが良いなんて言わない。

 

 

私が中学生くらいの頃、テレビ、しかもゴールデン番組でヤマンバギャルとかあの時代に、中絶とはとどちらかというとバラエティー番組に入る番組で真剣に議論していたのがあった。私は胎児が中絶されるエコー映像を観て、頭に焼き付いてしまったくらい、インパクトが強かった。嫌がる胎児を機械が吸い込む。頭だけが子宮に残り、頭を壊し、そして機械で排出させる。怖かった。

 

 

自分が生まれてきて、生きていることが、親のお陰だと思ったとき。この胎児の段階で親は「もちろん出産」の選択肢を迷うことなく選んでくれたお陰で私がいるんだと、この事実は当然ではないと思った。

何にせよ、産めない事情もそこにはあるので、だからテレビの中絶される胎児の映像があって、事実その妊娠していた女性は堕胎せざるを得ない状況だったんだろう。

 

ヴェラ・ドレイクに出てくる女性たちは、みんなそれぞれな理由があって堕胎していた。重くて重くて、夜に観るもんじゃないと思った。

 

そしてこのヴェラは人助けの気持ちからそれをしていた。利益は関係ないということから。

 

ふと思う。今の日本の母体保護法の病院の、資格を持って中絶手術を行う産婦人科医の人々は最初は嫌でたまらなくても、職として段々慣れるのかなと思った。毎回嫌だと思う。どこかで感情を切り離すのかとも思う。命をひとつその手で終わらせるお医者の側の気持ちも考えてみた。ヴェラはこの行為が悪いと本当に解っていた。

 

考えるには良い作品である。重いけど。自分の身体を大事にしよう、そして妊娠しても産める状況で妊娠しようと思う。

 

おわらない物語-アビバの場合-は、視覚の問題で難しい。主人公を演じているのは幼少期から最後まで8人の女優さんなのだ。なんと肌の色も顔も体格も見事なまでに違う。混乱をまず起こしてしまう。黒人の少女が演じ、白人の少女が演じる。人そのものが違うため、話の内容についていくのが難しいと思った。せめて幼少期と少女時代は2人ぐらいがわかりやすいと思うのだが。

 

 

アビバは意図的に妊娠する。産みたいというが、親に病院に連れて行かれ、手術が失敗して二度と子供が産めない状況になる。そこから旅に出る。

 

なんかうーん…と思うのは、その行為の様子が解ってしまう。なんというかいきなり行為に及ぶというのも、ちょっと引く。一番最後のセリフはもしや本人は子宮を摘出されたことを告げられてないのかと思った。

 

中絶からとても傷付いて旅に出た少女は色々経験して戻ってきた。

 

ヴェラ・ドレイクより明るい感じで制作されているけど、12歳で意図的に子供を作って、親が「はいそうですか、産みましょうね」と言うはずがないことを想像しないのかと思う。彼女は子供を沢山持つのが夢という設定だ。それを叶えるためには12歳では不可能に近いだろうとまず思う。産みたいの一点張りで産めると思ったのかもしれないのがすごい。

 

ただ、まだまだ少女の女優が画面に映らないにしても「行為中」とわかる映画に出るのもすごいと思うが。日本ならオブラートにかなり包まれる。

 

 

私はヴェラ・ドレイクの方がとても現実的に重くて考えるには良い内容かなと思う。

 

おわらない物語-アビバの場合-はどこかとても有り得ないでしょという、シュールで皮肉たっぷりの内容を観たい時にオススメです。

 

主人公が8人は少々混乱する。

人種差別の気持ちなどないが、8人が同じ役をするのは無理があると思う。

 

 

でも中絶を考えるには二つの作品は良いと思う。